会社設立に伴う収支計画の立て方と資金繰り

会社設立に伴って、絶対に必要となるのが収支計画です。収支計画とは収益・費用に関する計画および、その結果の利益の計画のことを指します。事業を継続していくためには、利益がどの程度かを想定することが必要になってきます。また、経営をしていく上では資金繰りも大切となってきます。しっかりとした収支計画を立てるだけでなく、資金繰りにも目を向けておきましょう。

売上高の算出

まずは最初に売上高がどのくらいになるのかを算出します。まだ何の実績もない時点で売上を設定するのは難しいかもしれませんが、さまざまな資料を参考にし、事業計画から1カ月の予想売上を算出しましょう。
毎月平均的に売上を見込めるような事業であれば、年間の売上まで予想できるでしょうが、季節によって変動するような事業であれば、それを考慮して算出する必要があります。個人事業であれば暦年(1月~12月)を基準に考えますが、会社設立した後の事業計画であれば事業年度(決算月の翌月~翌決算月まで)をもとに作成しましょう。

経費の算出

事業の持続には経費がかかります。小売業のような仕入が発生する事業であれば経費のなかでも特に原価率を重視してください。原価率は売上に対して原価が占める割合のことをいいます。原価率をどの程度にすれば売上がいくらになり、純利益がいくらになるのかを丹念にシュミレーションしていきましょう。原価率が低ければ売上が一緒でも利益が大きくなりますし、原価率が高ければ利益は少なくなります。
ほかにも人件費、社会保険などの法定福利費、広告宣伝費、通信費、水道光熱費、事務所家賃、借入金がある場合はその支払利息なども経費として見積もる必要があります。これも、事業計画書を元に算出していきます。
注意すべきは減価償却費です。建物、車両、パソコンなどの比較的高額となる支出は支払った金額がそのまますべて経費とはならない場合があります。一括経費にならない場合には、それぞれの資産種類ごとに定められている耐用年数に応じて、数年間にわたって費用化していくことになります。このように数年に分割して費用化することを減価償却と言い、毎年の経費を減価償却費と言います。減価償却の考え方は資金繰りや借入金の返済計画にも関係するものなので、しっかり理解しておく必要があります。

資金繰りについて

黒字倒産という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。利益は出ているのに資金が回らず倒産してしまうということです。つまり、資金が回っていなければいくら利益を出していても事業は続かないということです。逆にいえば、赤字でも資金が回っている限り事業は続くということです。
例えば小売業の場合、商品がすべて現金で売れればその現金で仕入をすることができ、商売は続けていくことができます。しかし、売上のほとんどがクレジットカードでの支払いだった場合、売上が現金化されるまでにタイムラグが生じます。その場合、現金が手元に入るまでに仕入、人件費、その他の経費の支払いをしなければいけません。このタイムラグを埋めるための資金を運転資金と呼びます。これが資金繰りということです。

資金の出入りを管理すること

収支計画では売上と費用について見積もりますが、資金繰り表は実際の資金の出入りを把握するものです。売上だけでなく、借入によって得た資金もここに入りますし、出費に関しては経費、設備費、借入金の返済額などが入ります。しかし、減価償却費のような実際の支出のないものはここに入りません。その他手形や売掛、買掛などがある場合は、実際に資金として出入りがある時点を把握するようにします。
事業計画や収支計画に基づいて、資金繰り表を作成していくと不足が出るかもしれません。不足する場合は事業にとっての危機を意味します。事業計画の問題点はどこにあるか、内容を検討しましょう。








東京会社設立センター 吉田 栄博